≪校長室の窓≫ 中学生で出逢っておきたい詩
- 公開日
- 2014/03/30
- 更新日
- 2014/03/30
学校の窓
支度(したく) 黒田三郎
何の匂(にお)いでしょう
これは
これは春の匂い
真(ま)新しい着地(きじ)の匂い
真新しい革(かわ)の匂い
新しいものの
新しい匂い
匂いのなかに
希望も
夢も
幸福も
うっとりと
浮かんでくるようです
ごったがえす
人いきれのなかで
だけどちょっぴり
気がかりです
心の支度は
どうでしょう
もうできましたか
<解説>
新しい環境に足を踏み入れていくとき誰もが持つ期待と不安。
ふたつは同じものの裏と表なのですから、
不安だけをなくしてしまうのは無理なことだと知りましょう。
あれこれとあらかじめ思いわずらうより、
目をつぶって、「えいやっ」と飛び込む。
飛び込んでから考える。
不安なのは自分だけではないのです。
そう思えたら、心の支度は完了です。